研究課題/領域番号 |
17K01896
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
子ども学(子ども環境学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平林 今日子 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00634932)
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研究分担者 |
佐藤 健一 滋賀大学, データサイエンス教育研究センター, 教授 (30284219)
川野 徳幸 広島大学, 平和センター, 教授 (30304463)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 核被害 / 子ども / 放射線 / 被ばく / 核実験 / セミパラチンスク / カザフスタン |
研究成果の概要 |
セミパラチンスク核実験場周辺に居住する疾患・障がいをもつ子どもとその保護者計11組に対するインタビューを実施した。対象者のうち、多くの保護者が子どもの疾患・障がいについて「核実験によるものである」との認識をもつことが分かった。保護者の多くは子どもの疾患や障がいを自分やパートナーの責任と感じ、すでに精神的な負荷を負っているにもかかわらず、さらに自分やパートナー、子どもが核実験の影響を受けてしまったことで「核実験さえなければ」との思いを持ち続けている。このように疾患・障がいをもつ子どもの家族に共通の思いがある一方で、「核実験さえなければ」との思いの内側にあるものは千差万別であることも明らかにした。
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自由記述の分野 |
核被害に関する研究、子ども学、子ども環境学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、核実験の直接の被災者ではなく、いわゆる被ばく二世、三世と呼ばれる「現代の子ども」への影響について、集団ではなく個に焦点を当て、医学的影響のみならず、経済的社会的影響を含めて包括的に聞き取りを行った学際的かつ独創的な研究である。 本研究により、放射線が後世にわたって長期的かつ深刻な傷跡を残す実態が明らかになったことで、核実験や核兵器の非人道性がより一層明確になった。これらの結果は国際社会におけるそれら兵器の使用や保持の抑制につながる可能性がある。同時に日本国内では、福島第一原発周辺に暮らす子どもやその保護者に対する今後の支援策の立案に寄与するであろう。
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