研究課題/領域番号 |
17K01915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
子ども学(子ども環境学)
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研究機関 | 北里大学 (2022) 獨協医科大学 (2019-2021) 中央大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
水島 栄 北里大学, 医療系研究科, 教授 (00790940)
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研究分担者 |
檀 一平太 中央大学, 理工学部, 教授 (20399380)
作田 亮一 獨協医科大学, 医学部, 特任教授 (40254974)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マルトリートメント / ADHD / fNIRS / 脳機能計測 / 抑制課題 / 唾液中ホルモン濃度測定 / Cortisol / 虐待判定 |
研究成果の概要 |
本研究では、虐待判定に用いるためのfNIRS(機能的近赤外分光法), 唾液中コルチゾル濃度測定と心理評価などの客観的指標を用いた複合評価モデルの構築を目的とし、行動的類似性が指摘されるADHDとマルトリートメント児の判別も目的とした。74名の被験者が本研究に参加した。抑制課題を用いて脳機能を計測し、fNIRS実施前後,起床時/就寝前の唾液を採取し測定した。結果、マルトリートメント児は、ADHD、定型発達児と比較して右下前頭回と眼窩前頭皮質の境界、主に情動認識・意思決定を司る領域の脳の血流が活発化した。常に何かに備えアクティブになっているマルトリートメント児の行動特性とも合致した結果となった。
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自由記述の分野 |
小児発達学、小児精神神経学、発達精神医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
被虐待経験を含むマルトリートメント児とADHD児の行動上の類似性は指摘されていたが、その違いがどこに存在するかに関する客観的指標を用いた研究報告は数少ない。本研究では、抑制課題遂行時のfNIRSによる脳機能計測を用いてマルトリートメント児の特徴的な情報処理に関する脳領域を検出した。マルトリートメント児たちが、環境依存的に情報処理スキルを高めてきた可能性が示唆される。 本研究の結果が、マルトリートメント児に直接関わる支援者(医療従事者や児童相談所のスタッフ)らに理解され、支援に生かされる社会的意義は非常に大きい。今後も引き続きマルトリートメントによる影響の可視化研究を継続していく。
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