本研究では脳常在マクロファージの一つである血管周囲性マクロファージ(PVM)の細胞の脳内動態と機能について解析を行った。PVMは血管周囲に集積して存在しており、血管内の色素を積極的に取り込み、細胞質内の顆粒構造に蓄積していた。 次にPVMの細胞機能を明らかにすることを目的として、慢性ストレスうつモデルを用いて、病態時のPVM動態を解析した。慢性的なストレスを与えるとPVM細胞数が有意に低下することが分かった。PVMは血中や血管周囲の老廃物を除去していると考えられ、慢性ストレスによるPVMの機能低下が脳の免疫及び恒常性異常を引き起こし、血管障害を伴う脳疾患発症につながっていることが示唆された。
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