本研究は、環境変動に伴って失われてゆく在来知と科学知の双方を、長期的生態環境モニタリングと地域住民への聞き取りを含む実地調査を踏まえて取りまとめることを目的に行われた。調査対象地域である、東アフリカ・タンザニアのマハレ山塊国立公園とその周辺域では、気象データから地球規模での気候変動の影響が認められた。実地調査や聞き取り調査は、パンデミックに伴い研究期間途上で断念せざるを得なかったが、代わりに研究が開始された1960年代を含む過去資料にあった246点の植物の画像資料などをもとに方名や学名を推定し、これまでの調査では地元民も知らなかった植物名と該当植物など貴重な54点の資料を発見できた。
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