本研究は、民主化後の南アフリカにおける移民・難民の脆弱性克服と社会的統合の課題を明らかにすることを目的に実施した。具体的には、同国最大の都市ジョハネスバーグに暮らすアフリカの4カ国―マラウイ、ジンバブウェ、コンゴ民主共和国、ウガンダ―の出身者を中心に聞き取り調査を実施し、①南アフリカへの移住の背景、②ジョハネスバーグでの生計活動、③出身国との関係、④コロナ禍の影響などについて調べた。コロナ禍を経て南アフリカの経済状況が悪化するなかで、同国社会への統合が以前よりも困難になっていること、出身国への帰国を選択する移民や難民が出現し始めたことが明らかになった。
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