研究課題/領域番号 |
17K02090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
古沢 希代子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80308296)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 気候変動 / 自然災害 / ジェンダー / レジリエンス / エンパワーメント / 灌漑 / 東ティモール / 農村 |
研究成果の概要 |
2015年以降、東ティモールではエルニーニョ、ラニーニャ、ハリケーンによる降雨パターンの劇的変化により農業生産に深刻な影響が及んだ。本研究は、気候変動に対する農村女性のレジリエンス構築の方策を考察したが、農耕、家畜の世話、家事(水汲み、薪の調達、洗濯、調理)、育児と多くの役割を担う女性にとって、水へのアクセスはその中核的ニーズであった。主な調査地では大規模な灌漑事業が展開されていたが、施設面でも組織面でも問題を抱えており、それらは自然災害によって深刻化した。女性たちは様々な水源を活用し、救荒作物の利用や耕作方法の転換で対応していたが、水利システム全般の運営に力を発揮できていない。
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自由記述の分野 |
ジェンダー
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気候変動による農村女性への影響は、制度やガバナンスにおける行政/官僚と住民、そして、ジェンダー関係を経由して、多様で複雑なものとなる。本研究は、フィールド調査と文献調査を通じて、東ティモールの女性農民のおかれた問題状況をジェンダー政治生態学的に明らかにしたところに学術的意義がある。また、女性農民の平等な参画、ひいては農村発展のために何が必要かを具体的に示した点に社会的意義がある。本研究は、気候変動に対するレジリアンス構築には災害時の対応のみならず、社会インフラに関する日常的なガバナンスに中央と地域の対話、住民の参画、ジェンダー平等の推進が必要であることを論証した。
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