研究課題/領域番号 |
17K02286
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
金城 厚 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 名誉教授 (50183273)
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研究分担者 |
久万田 晋 沖縄県立芸術大学, 付置研究所, 教授 (30215024)
植村 幸生 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (80262252)
内田 順子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60321543)
島添 貴美子 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 准教授 (00432120)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アーカイブ / 民族音楽学 / 沖縄音楽 / 民謡 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、東京藝術大学の故・小泉文夫教授が1970年代に、沖縄音楽を調査するために、学生を多数動員して大規模な録音調査活動を行い、収集したカセットテープ1300巻を整理して、研究と伝承に役立つアーカイブにすることであり、この実践を通して、民族音楽学の調査資料をアーカイヴ化する方法のモデルを作成することをめざしている。 第1年度までにデジタル化とデータベース化を完了し、第2年度はアーカイブ化の方法について、模索、調査した結果、現地録音資料をアーカイブ化する際、広く公開することによる研究利便性と、調査対象者の個人情報保護や著作権保護とのバランスをどのように調和させるか、検討が必要なことがわかり、先行実例調査を行って、最終的に、メタデータを階層に分けて、上層から順に広くウェブ公開していくことで利便性を高め、音源データそのものは来所・来館利用に限定することによって個人情報の無秩序な利用を規制することが最も有効だという結論を得た。 第3年度の本年は、この方法に基づいてデータベースを再整理し、検索しやすいアーカイブの仕様を作成した。1月に業者委託して公開用ソフトを作成した。アーカイブは沖縄県立芸術大学附属研究所のサーバーに接続済みである。4月1日現在、学外には未公開だが、検索利用できる状態になっている。また、一部の対象地域について、第二次メタデータが不十分なので、これについても、できるだけ補充を進めたい。今後は、関係機関との権利関係を協定化し、学内調整のうえ、年度内の早い時期に記者発表などにより、アーカイブを構築を広く社会に周知したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成2年度内に完了する予定だったが、新コロナウイルス感染症流行への諸対応によって、2月以降の研究活動が大きく制約され、調査の積み残しが生じた。 また、3月にアーカイブを大学のホームページにリンクする計画だったが、新コロナウイルス感染症対策で大学上層部が業務繁多となり、学内の関係委員会との調整が十分に進められなかったために、先延ばしになった。アーカイブそのものは完成し、ウェブに接続できる日を待っている状態である。
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今後の研究の推進方策 |
1 コロナ対応で延期となった未調査の調査事項について、調査を遂行する。(旅費等が未使用となっている) 2 東京藝術大学、および沖縄県立芸術大学との権利調整を行い、利用協定を締結する。(予算を使用ぜずに対応する) 3 この間のアーカイブ製作過程のマニュアルを作成して学会にて公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の島添貴美子氏(富山大学)において、担当するアーカイブ等の調査のため、米国にて調査・情報収集する予定を組んでいたが、1月に新型コロナウイルス感染症の流行への対応として、所属する富山大学にて、所属する教員に対し米国への渡航を自粛するよう指示があった。そのため、計画していた調査旅行が実施できなくなり、これに充てるために残していた約30万円について繰越し、令和2年度の秋には渡航が可能になることを期待し、あらためて調査に出向く旅費に充てる計画である。
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