研究課題/領域番号 |
17K02490
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐野 隆弥 筑波大学, 人文社会系, 教授 (90196296)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 王朝交替期 / Ben Jonson / Every Man Out / 法学院 / 少年劇団の活動再開 / 詩人戦争 |
研究実績の概要 |
平成30年度においては、エリザベス朝王朝交替期における宗教・政治関係の研究書、および諷刺文化と演劇興行に関する文献・資料を収集し、あわせてBen Jonsonの初期諷刺喜劇に関する研究発表ならびに論文の執筆を行った。 研究発表については、「Ben Jonsonの初期気質喜劇における自己実現――*Every Man Out of His Humour*創作上演時期を中心とした劇団の選択」を第32回エリザベス朝研究会(2018年6月23日、於慶應義塾大学日吉キャンパス)で、またそれをさらに発展させたものを、「Ben Jonsonと少年劇団――*Every Man Out of His Humour*創作上演時期を中心として」のタイトルで、第57回シェイクスピア学会(2018年10月13日、於津田塾大学小平キャンパス)で発表した。 論文については、「Ben Jonsonとチャペル・ロイアル少年劇団――*Every Man Out of His Humour*創作上演時期を中心として」を『文藝言語研究』第75巻(筑波大学大学院人文社会科学研究科文芸・言語専攻、2019年3月)、pp.47-62に掲載した。王朝交替期に生起した、少年劇団の活動再開に密接に関連する詩人戦争という現象を、*Every Man Out of His Humour*という戯曲の分析を通して検証し、世紀転換期の法学院が諷刺文化の拠点であったという事実が、少年劇団の活動再開に寄与した可能性を指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の目的は、エリザベス朝王朝交替期において顕著となった諷刺的文化環境が、演劇興行に及ぼした作用を検証することであり、取り分け少年劇団の活動再開という現象が呈示する演劇興行の実態を実証的に明らかにすることである。特に、平成30年度の目的は、Ben Jonsonの*Every Man Out of His Humour*の検証を通して、チャペル・ロイアル少年劇団の活動再開を可能にしたファクターを探ることであった。この件に関し、研究論文を1編執筆し、また研究発表を2件行うことができた。よって、「おおむね順調に進展している」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の目的は、エリザベス朝王朝交替期において顕著となった諷刺的文化環境が、演劇興行に及ぼした作用を検証することであり、取り分け少年劇団の活動再開という現象が呈示する演劇興行の実態を実証的に明らかにすることである。平成31年度は、過去2年の成果を踏まえて、Thomas Dekkerの*Satiromastix*を中心に、詩人戦争の実態を考慮に入れながら、3つの劇団――聖ポール少年劇団、チャペル・ロイアル少年劇団、宮内大臣一座――のせめぎ合いと演劇興行へのインパクトに関して解明を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は、当該年度配当直接経費50万円と、前年度繰越金約40万円のうち約10万円を執行することで、十分な研究成果をあげることができた。平成31年度では、繰越金の残額をも活用しながら、研究課題を遂行する。各種資料・研究書の収集、それらの利用による研究論文の執筆および研究発表はもとより、これらの事業に加えてロンドンへの現地調査を行い、研究成果に反映させることを計画している。
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