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2018 年度 実施状況報告書

モダニズムと<非白人>文化の相互交渉―ウィンダム・ルイスとヘミングウェイを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 17K02559
研究機関中央大学

研究代表者

中村 亨  中央大学, 商学部, 教授 (70328029)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードモダニズム / トランスナショナル / 人種
研究実績の概要

アフリカ系アメリカ人による芸術運動ハーレム・ルネッサンスと英国作家ウィンダム・ルイスとの関連について、英文による論文 "Racial Anxiety of Entanglement:
Interaction between Paleface, Dark Laughter, and Works of the Harlem Renaissance" を書き上げて、アメリカ合衆国の学会誌に投稿した。現在審査の結果を待っている段階である。
一方ヘミングウェイに関しては、アメリカに拠点を置くThe Hemingway Societyが2018年7月にパリで開催した国際学会 "Hemingway Conference 2018: Hemingway in Paris" に参加し、小説Farewell to Armsにおける人種意識とジェンダーとの関わりについて、"The Mask of a Manly White: Self-Restraint, Execution, and A Farewell to Arms" と題する口頭発表を行った。
さらに11月には日本ヘミングウェイ協会全国大会において、口頭発表「The Torrents of Spring における女児置き去りの逸話と、文壇におけるヘミングウェイの位置取りについて」を行い、ハーレム・ルネッサンスとの関わりを視野に入れてヘミングウェイの作家としての位置を1920年代半ばの文化闘争のコンテクストにおいて考察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

英米モダニストとハーレム・ルネッサンスの関わりについて、ウィンダム・ルイスを軸に一本の英語論文を書き上げて海外学会誌に投稿し、一方ヘミングウェイに焦点を当てて国内と海外でそれぞれ異なる内容の口頭発表を行うことができた。
口頭発表に対しては、国際学会でも国内の学会でも聴衆から建設的なフィードバックを得ることができ、今後研究をさらに発展させる弾みになった。

今後の研究の推進方策

ウィンダム・ルイスに関しては、英国の美術におけるプリミティビズムの流行と非西欧文化の受容という広い文化的なコンテクストとの関連を視野に入れて研究を進めていくつもりである。

ヘミングウェイに関しては同時代のアフリカ系アメリカ人の芸術家・著作家との連関を引き続き探りつつ、草稿研究の成果を生かし、執筆過程においてあぶりだされている彼の人種観を検討する。

次年度使用額が生じた理由

オックスフォード大学図書館を中心とするイギリスでの文献調査と、アメリカ合衆国ジョン・F・ケネディ図書館での草稿調査が、予定よりも効率的に順調に進み、全体としての滞在日数を少なくすることができたから。
今年度のイギリスでの調査の範囲を広げ、研究をより進展させ充実したものにするために予算は使いたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] A Farewell to Arms: New Interpretations “The Mask of a Manly White: Self-Restraint, Execution, and A Farewell to Arms”2018

    • 著者名/発表者名
      Toru Nakamura
    • 学会等名
      Hemingway Conference 2018: Hemingway in Paris
    • 国際学会
  • [学会発表] The Torrents of Spring における女児置き去りの逸話と、文壇におけるヘミングウェイの位置取りについて2018

    • 著者名/発表者名
      中村亨
    • 学会等名
      日本ヘミングウェイ協会全国大会

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公開日: 2019-12-27  

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