研究課題/領域番号 |
17K02559
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
中村 亨 中央大学, 商学部, 教授 (70328029)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | モダニズム / 黒人表象 / アメリカ文学 / イギリス文学 |
研究実績の概要 |
当該研究の成果である、黒人表象をめぐるヘミングウェイとアンダソンの関係、そしてアンダソンとウィンダム・ルイスの関係に加えて、アンダソンとアフリカ系アメリカ人作家ジーン・トゥーマーの関係についての過去の研究をまとめて、単著の研究書『かき乱す <黒人>の声-トゥーマー、アンダソン、ヘミングウェイとルイス』を執筆した。全体としては、従来の研究では別個に切り離して論じられる傾向があった、アフリカ系の出自をもつ英米・ヨーロッパの著作家・芸術家と英米の前衛的な白人作家たちとの間の1920年代~30年代における相互交渉の一端を明らかにする内容である。 そしてその研究書の出版を目指して、福原記念英米文学研究助成基金の出版助成に申請した。結果としては残念ながら採択には至らなかったが、結果の通知後、研究書の内容の向上のために書き直しを行った。 書き直した原稿をもとに、今年度科研費の研究成果公開のための出版助成に申請したいと考えている。 また、当該研究の出発点となったのはカリフォルニア大学ロサンゼルス校教授マイケル・ノース氏の研究、そしてノース氏との直接的な交流であるが、そのノース氏が1920年代の英米文学と同時代文化との関係を豊富な一次資料の読み込みによって明らかにした研究書Reading 1922を翻訳した。翻訳は出版社による初稿が刷り上がっている段階で、校正を経たあと2021年度には出版される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
キューバにあるヘミングウェイの蔵書を調査するつもりであったが、コロナ禍により現地に出向けない状態が続いている。 またこれまでの研究成果を国際ヘミングウェイ学会で発表し他の研究者からのフィードバックを受けてさらに研究を進めたいと考えていたが、コロナ禍により昨年から学会開催が延期されているため、開催のめどがつくのを待っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
海外への安全な渡航が再びできるようになり次第、キューバでのヘミングウェイの蔵書調査を行いたいと考えている。 また、一昨年2019年度のイギリスでの調査の成果を踏まえ、ヴォーティシズムとウィンダム・ルイス、エズラ・パウンド、そしてヘミングウェイの関係を、非西欧文化の借用・利用という観点からさらに探っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により海外に出向いての調査ができない状態が続いているため。安全に海外渡航ができるようになり次第、海外調査を行う予定である。
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