ドイツ語学習者は、高校英語を「テスト準備としての勉強」が中心で「異文化間コミュニケーションの準備としての学習」は少なかったと考えている。ドイツ語の授業環境に対する認知は、英語学習経験に関連していた。ドイツ語教師は、口頭コミュニケーションや文化・社会事情を教えたいと希望し、日本語訳を必要とは考えていない。また、学習者は、単位取得等に関する道具的動機づけが強く、ドイツの文化や社会への関心は、学習意欲に直接的影響が見られない。理想L2自己の形成には、自律性と有能感を育成する授業環境が必要である。教師調査では、教師の学習経験や教授経験の言語化を教師と参観者が共有することで多層的な省察を試みた。
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