本研究は英語教育と学習の動機づけ研究に援用される理論の精緻化を目的とした研究である。東アジア3か国の後期中等英語教育段階の学校英語教育現場の授業を長期参与観察し、動機づけの変遷のプロセスを、主体者(教師・生徒)と地域性(日本・中国・韓国)に着目して実施した。援用した動機づけ理論は、複雑系理論(CDST)と活動理論(AT) 、複線路等至性アプローチ(TEA)である。 TEAによる教師の動機づけ解釈により,教師の英語授業への動機づけが,異なる分岐点を経て異なる径路で変遷し,教師として成長していく道程が明らかとなった。また,CDSTのメタ理論性について,ATの上位概念として位置づくことを論じた。
|