本研究の課題は朝鮮の開港期・植民地時代においてミシンの需要が創出される過程を、ミシンの生産、流通、消費のありようを通して明らかにする。1)ミシンの保有・普及率の究明およびミシンの供給側であるミシン製造・販売会社のありようを究明する。2)ミシンの需要が創出されていく過程での内在的要因の究明―日韓比較 朝鮮服は日本の和服とは異なって、ミシンで作ることができる衣服であった。普及の担い手たち:日本においてミシンの普及のためには洋裁学校の存在やミシン教師という職業婦人を必要としたが、朝鮮では婦人会や各新聞社、基督教青年会、槿友会など民族運動団体が中心となって、家庭主婦を対象にミシン裁縫講習会を開いた。
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