研究課題/領域番号 |
17K03248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
島津 俊之 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60216075)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地理学史 / 国際主義 / アート / 19世紀 / パリ / ロンドン / マリアンヌ・ノース |
研究成果の概要 |
本研究では,広義の知的営為としての地理学と,思想・実践としての国際主義とが,近世・近代においてどのように接合してきたか,そして,その接合はいかなる意義を有するものであったかを探究した。地理学は全地球の記述として出発したため,定義上,国家やその領土を超えた研究の視野を有する。一方で国際主義は,主権国家の成立に伴って逆説的に生成してきた。地理学と国際主義との接合は,全くの必然でもなければ全くの偶然でもなく,近世から近代にかけての国民国家形成のなかで,時空間的な多様性を有しつつ展開してきた。
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自由記述の分野 |
人文地理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地理学と国際主義との関係性は従来自明視され,あまり顧みられることがなかった。また,国際主義の一般的イメージは「リベラル国際主義」に偏り,「ヘゲモニー国際主義」や「革命的国際主義」についての理解が充分とはいえない。本研究ではパリやロンドンを事例として,アート(芸術作品)を媒介として地理学とヘゲモニー国際主義が偶有的に接合してゆく様態の一端を解明した。また本研究では,地理学と国際主義の関係性を19世紀後半に遡って理解することの重要性と意義を呈示することができた。
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