研究課題
基盤研究(C)
本研究では,広義の知的営為としての地理学と,思想・実践としての国際主義とが,近世・近代においてどのように接合してきたか,そして,その接合はいかなる意義を有するものであったかを探究した。地理学は全地球の記述として出発したため,定義上,国家やその領土を超えた研究の視野を有する。一方で国際主義は,主権国家の成立に伴って逆説的に生成してきた。地理学と国際主義との接合は,全くの必然でもなければ全くの偶然でもなく,近世から近代にかけての国民国家形成のなかで,時空間的な多様性を有しつつ展開してきた。
地理学と国際主義との関係性は従来自明視され,あまり顧みられることがなかった。また,国際主義の一般的イメージは「リベラル国際主義」に偏り,「ヘゲモニー国際主義」や「革命的国際主義」についての理解が充分とはいえない。本研究ではパリやロンドンを事例として,アート(芸術作品)を媒介として地理学とヘゲモニー国際主義が偶有的に接合してゆく様態の一端を解明した。また本研究では,地理学と国際主義の関係性を19世紀後半に遡って理解することの重要性と意義を呈示することができた。
すべて 2021 2020 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
Schelhaas B., Ferretti F., Reyes Novaes A., Schmidt di Friedberg M. (eds) Decolonising and Internationalising Geography. Historical Geography and Geosciences. Springer, Cham.
巻: Part of HIGEGE book series ページ: 81-95
10.1007/978-3-030-49516-9_8
人文地理
巻: 72 号: 2 ページ: 174-175
10.4200/jjhg.72.02_174
130007879631
巻: 72 号: 3 ページ: 211-214
10.4200/jjhg.72.03_211
130007930818
巻: 71 号: 3 ページ: 334-335
10.4200/jjhg.71.03_334
130007737865
地学雑誌
巻: 127 号: 6 ページ: 835-860
10.5026/jgeography.127.835
130007585259
巻: 69 号: 2 ページ: 258-259
10.4200/jjhg.69.02_258
130006888603