研究課題/領域番号 |
17K03456
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
坂本 達也 静岡大学, 法務研究科, 教授 (50389235)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 結合企業法 / 少数株主保護 |
研究実績の概要 |
本年度は、(1)企業組織再編における少数株主保護に関するイギリス会社法および日本の会社法の比較検討、(2)支配会社への責任規制に関するイギリス会社法および日本の会社法の比較検討、および(3)支配会社概念に関するイギリス会社法および日本の会社法の比較検討のうち、主に、上記(1)に関して研究活動を行った。この研究として、本年度においては、支配会社および従属会社間の企業組織再編時における従属会社の少数株主保護についてイギリス法および日本法の比較および検討を行い、日本法への示唆を得た。この研究では、支配会社および従属会社間の企業組織再編において、従属会社の少数株主はどのような保護を受けているのかについて、イギリス会社法の文献資料の入手、精読を行い、そのうえで、日本法における議論を検討し、支配会社および従属会社間の企業組織再編時における従属会社の少数株主はどのような保護を受けるべきかについて、日本法への示唆を提示している。この研究に関して、本年度においては、研究会において研究報告をしている。現在、次年度においてこの報告を元にして「支配会社および従属会社間の企業組織再編における従属会社の少数株主保護ーイギリス会社法を中心にー(仮題)」と題した論文を公表するために、原稿の執筆の研究活動に取り組んでいる。 本年度においては、上記(2)および上記(3)に関して、イギリス法および日本法について文献資料を入手し、精読を行った。次年度においては、上記(2)および(3)に関して、研究活動を継続することにしており、上記(2)または(3)について、研究成果をとして、論文を執筆し、公表することにする。 本年度においては、以上の研究活動のほか、「特例有限会社の任期の定めのない取締役の解任と会社法三三九条二項の損害賠償請求」と題した判例研究を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度においては、企業組織再編時における従属会社の少数株主保護に関して、研究成果をおおむね原稿としてまとめ、次年度には原稿を公表することができようになっているところまで研究活動を進めており、また、この研究成果として、イギリス会社法から日本法への示唆を得ることができたことから、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、従属会社の少数株主保護に関して、支配会社への責任規制および支配会社概念について、イギリス法および日本法の文献資料を入手、精読し、イギリス法から日本法への示唆を得ること、これについて、研究成果として、論文にまとめ、公表することである。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度においては、主に、従属会社の少数株主保護に関するイギリス法および日本法の文献資料の入手のために、研究費を使用したが、入手すべき文献資料について慎重に選択をしたために、入手した文献資料が限られた。 次年度の研究費の使用計画は、主に次のとおりである。第一に、結合企業法における従属会社の少数株主保護に関して、イギリス法および日本法を中心に文献資料を入手するために、第二に、研究会および学会への国内出席のための旅費のために、第三に、研究論文の執筆または文献資料の入手または精読のために、パソコン周辺機器、プリンターのインク、印刷用紙の購入のために研究費を使用する。
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