研究課題/領域番号 |
17K03517
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
横野 恵 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授 (80339663)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 安楽死 / 終末期医療 / 緩和ケア / カナダ法 / カナダ憲法 |
研究実績の概要 |
これまでおもにカナダにおける積極的安楽死の合法化に関する研究を行ってきたが,カナダ以外の英米法系の諸法域においても積極的安楽死の合法化に向かう動きが着実に進展してきている。本年度は,これまでのカナダを対象とする研究の成果を基盤にしつつ,英国,米国,オーストラリア等英米法系の諸国を広く対象として,積極的安楽死の合法化に関わる法的な議論や状況の変化について検討した。
とくに,オーストラリアではビクトリア州につづき西オーストラリア州(以下,「WA州」という)でも2019年12月に合法化立法(Voluntary Assisted Dying Act 2019)が成立した点に着目し,合法化の経緯や背景について調査・分析を行った。その結果,以下の知見を得た。
WA州では,ビクトリア州における2017年の合法化立法の成立(2019年6月施行)の影響を受けて積極的安楽死の合法化をめぐる議論が高まり,州議会に特別委員会を設置して検討が行われた。特別委員会は,終末期の選択について積極的安楽死のみならず緩和ケアやアドバンスケアプランニングを含め幅広く検討を行い,2018年8月に議会に報告書を提出した。同報告書では,終末期における不必要な苦痛の回避と個人の自律の尊重を重視する立場から,積極的安楽死合法化のための立法を勧告した。WA州政府はこれを受けて保健省および司法省の下で有識者会議による検討およびコンサルテーションを行い,2019年8月に法案が提出された。法律の全面施行は2021年の見込みであり,それまでに具体的な運用についてのルールが整備されるものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は校務の予定が多く,研究出張の日程を確保することが困難となった。そのため,学会等での成果発表を行うことができなかった。一方で,文献調査については,新たに法律が制定されたオーストラリアの状況を中心に順調に実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果の発表が当初の予定より遅れているため,今年度は成果の取りまとめと発表に注力する。 新型コロナウィルス感染拡大の影響により学会等の開催状況が不透明であるため,論文およびワーキングペーパーによる成果発表を中心に進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた出張が日程的に困難となったため,経費に余剰が生じた。2020年度は新型コロナウィルス感染拡大の影響で出張の実施は困難であると思われるため,調査及び成果発表のための費用として使用する。
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