1990年代以降、国際資本移動の活発化を背景に国際投資協定の締結が進んだ。しかしながら2000年代に入ると新たに締結される投資協定の数は減り、各国の投資協定の規律内容は大きく変化した。従来の投資協定は、投資受入国による恣意的政策から投資家やその財産を保護するための条項と外国投資の参入障壁の除去を目的とする条項で構成されていた。これに対して近年は、外国投資に対する政府の規制権限を強化するための規定を投資協定に含めようとする国が増えている。本研究は、このように投資の自由化と政府の規律強化のための規定が混在する現在の投資協定について、その規律内容を決定する要因は何かを明らかにすることを目指した。
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