本研究では、資源管理政策の役割が特に重要となる、複数国が共有するグローバルな再生可能資源に焦点を当てた。漁業資源の管理政策として、歴史的にも世界的にも最も導入が進んでいる技術的規制といわれる基礎的な管理政策に焦点を当て、2国間で互いに資源財を貿易し、技術的規制を課すような戦略的な関係を一般均衡の貿易モデルで分析した。技術的規制は産出量規制と比べて効率性が低いといわれるが、資源需要が強い場合には、資源保護に効果的であることが明らかとなり、そのとき、貿易する両国はともに貿易利益を得ることが明らかとなった。この結果から、資源需要が強いときには、まず適切に技術的規制を行うことが重要であるといえる。
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