研究課題
基盤研究(C)
本研究は地方資産家の研究対象を,筑豊の炭鉱資本家と華族資産家に広げ,①経済的・社会的側面から投資行動を調査し,②投資活動と企業経営を総体として分析するとともに,③中央株投資の原動力を探求し,投資の企図について実証的根拠を与えることを試みた.麻生家、吉川家、毛利家の諸帳簿に記載された諸データを分析した結果、それぞれの投資経路を活用しながら株式を取得することで運用効率を高めたこと、企業の競争力構築に寄与したことがわかった.
日本経済史・経営史
本研究ではそれぞれの資産家が株式投資や企業へ資金供給した際の個別のエピソードに着目しつつ、経済主体間の取引分析に取得経路、収益率、企業の競争力構築・再編という共通の枠組みを適用することで、日本資本主義の特質を明らかにすることを目指した.またこれらの指標は現代経済においても用いられる手法であり、時代を超えた対話の可能性を担保するものである.