DX(デジタルトランスフォーメーション)が世界的に進展する中、その流れに必ずしもうまく乗っているとはいえない状況において、多くの日本企業が経理部門の組織と機能、経理担当者の育成などに頭を抱えている。欧米においては1950年代から断続的にコントローラーの役割やCFOとその傘下の部門の役割の変化などに焦点を当てた蓄積がなされてきた。一方、日本ではこうしたテーマを扱った研究が極めて少ないと言わざるを得ない。本研究の意義は、長年にわたり黒字を続けてきた企業を対象に、先行研究を踏まえたうえで経験的研究を行い、規範的に経理部門の役割を検討した点に求められる。
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