本研究の目的は、目標設定方法の違いが精神障害者の作業成果及び心理的状況に及ぼす影響を明らかにすることである。自己目標設定群では、対照群との比較において、作業数及び作業精度は差がなく、最初の試行のみ感情変化が認められた。他者目標設定課題では、高い目標は低い目標に比べ作業数は増加し、作業精度に差はなく、ネガティブな感情が高まった。作業精度目標課題では、自由課題に比べて作業数は減少し作業精度が向上し、感情変化はなく、自己効力感が高まった。精神障害者の就労支援において作業精度を目標とすることは、良好な作業成果と心理的状況を得ることに有効である。
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