研究課題/領域番号 |
17K04209
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
佐藤 哲郎 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (50510799)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地域福祉 / 参加型評価 / プログラム評価 / コミュニティワーク |
研究実績の概要 |
2017年度の実績としては次の3点があげられる。 第1に、多様な推進主体による地域福祉実践が展開できたことである。推進主体について具体的には、①社会福祉協議会(神奈川県A村・岩手県B市)、②住民推進組織(長野県C市)、③医療法人(山形県D市)との協働実践研究が進められた。多様な推進主体と研究を通じて協働実践できたことは、地域福祉を推進していくためのコミュニティワークの実践方法について実践知の蓄積ができたとも考える。 第2に、参加型評価実施に向けてロジック・モデルの作成ができたことである。たとえば神奈川県A村では複数の地域で住民と社協専門職とでロジック・モデルの作成を終えた。長野県C市では1つの地区でコミュニティカフェのプログラムについてロジック・モデルを作成している。なお、これらのロジック・モデルでは、実践の改善を含めて次年度以降に取り組む必要性のある活動や働きかけも網羅できたことで、2018年度においても関係者によるモニタリングの素材として活用できることになる。したがって、A村とC市については、2017年度よりも発展的な参加型評価を実施したいと考えている。 第3に、上記のフィールドにおいて協働研究を実施できたことで住民をはじめ関係者の主体形成が進んだことである。これに関しては、参加型評価プロセスによる要因だけではなく、参加型評価を含めたコミュニティワークの総体としての要因が大きいように感じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要においても説明したが、神奈川県A村および長野県C市において、地域福祉実践プログラムに関するロジック・モデルが作成できたことである。2018年度は作成したロジック・モデルに基づく実践を共有しながら、実践の改善ならびに進展に活用していくための素材ができたからである。 そして、ロジック・モデルの作成が、次の展開となる調査や、関係者による協議を通じた参加型評価につながると考えられるからである。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は次のとおり研究を進めていく予定である。 第1に、昨年度ロジック・モデルを作成できた地域における研究である。神奈川県A村については複数の地区からターゲットを絞って参加型評価を実施する予定である。加えて、社会福祉協議会に所属する様々な専門職ならびにワーカー等が参加する評価実践を行う予定である。長野県C市については、コミュニティカフェや認知症カフェに関する参加型評価、加えて、推進主体である地域づくり協議会に関わる住民や専門職による参加型評価の展開を模索する。 第2に、上記以外のフィールドでは、引き続きコミュニティワークの実践を展開しながら、何らかの結果や成果につながった段階で関係者による参加型評価を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度、場合によってはインタビュー調査を実施しようと考えていたが、結果的に実施しなかったため、逐語録作成にかかる人件費が必要なくなったためである。 2018年度に2箇所でインタビュー調査を実施予定のため、翌年度に使用予定となる。
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