幼児の言葉の遅れは,成人に至った際の収入の低さや就労状況の悪さと関連する。したがって,幼児期の言葉の遅れを早期に発見し介入することで,成人期における様々な社会的問題を未然に防ぐことが可能である。1歳齢頃に開始される幼児の指さしは,後の言葉の発達を強く予測する。このことから,幼児の指さしを促すことで,後の言葉の発達も促すことが可能である。本研究では,幼児の指さしを促すうえで,母親などの養育者の指さし産出の促進が有効である可能性が示唆された。言語的な教示の有効な養育者への介入は,幼児への介入と比較して容易と考えられる。今後,言語的教示を含む,養育者への効果的な介入法を様々に検討できると考えられる。
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