本研究の目的は、叱り方の評価次元を新たに解明し、性格特性と叱り方および叱りの受けとめ方との関連を新たに解明することである。令和元年度は、調査Ⅰとして実施済みの母子ペアデータの分析および学会での成果発表を行った。それとともにその成果をふまえて対象を拡張するための予備的な調査として、教師を対象に質問紙調査を実施し、自分の子どもに対する叱り方と、教師として生徒に対する叱り方の両方について回答を求めた。つまり、同じ人物においても、誰を叱るかによってその内容や影響過程に違いがみられるかを検討した。令和2年度はこのデータの分析および学会での成果発表を行った。令和3年度は調査Ⅱとして学校現場において教師と生徒を対象とした調査を実施する予定であったが、コロナ禍の影響で学校現場での調査実施が叶わなかったため、中学生を対象としたオンライン上での質問紙調査を実施した。この調査を通じて、子どもがどのような原因で親や教師、あるいはそれ以外の他者から叱られており、そしてそれが叱り方の評価やその後の影響とどのように結びついているかを明らかにした。
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