研究課題
基盤研究(C)
本研究は、幼児の協力場面における自己と他者の関係調整の年齢差と性差を、交代制ルールの産出を中心に検討することを目的とした。4歳児と5歳児を対象に、ビー玉ゲーム落としゲームの協力場面を設定して、幼児の二人組での実験を行った。その結果、4歳児から5歳児にかけて協力行動が発達し、女児の方が交代制ルールを用いて公平な仲間関係を調整することが示された。協力が必要な状況の理解がこの時期に発達し、保育場面で協力行動の促進を行う必要性が示唆され、保育実践に応用可能な意義のある研究結果が得られた。
発達心理学
本研究の結果、4歳児から5歳児にかけて協力行動が発達すること、また交代制ルールを用いた公平な関係調整は女児の発達が早いことが示された。競争条件の設定では、幼児の仲間との関係調整の未熟さを把握できた。従って、保育実践において、協同場面や競争場面を設定することで、協力行動の発達を促進できる可能性が示唆された。また、その指導には性別を考慮する必要があることも示され、保育実践に応用可能な意義のある研究結果が得られた。