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2019 年度 実施状況報告書

小中学生の対人葛藤解決力発達支援モデルの開発‐友人関係における志向性に着目して‐

研究課題

研究課題/領域番号 17K04412
研究機関愛知教育大学

研究代表者

鈴木 伸子  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70387497)

研究分担者 石田 靖彦  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10314064)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード対人葛藤解決力 / 友人関係における志向性 / 小中学生
研究実績の概要

まず,外国人児童の対人葛藤解決方略の特徴を検討した国内共同研究における成果が学校メンタルヘルスVol.22, No.1:60-70, 2019に掲載された。本研究は,学級担任が評定した日本語能力から見た外国人児童のウェルビーイングの特徴を多面的に検討したものであり,学校生活において児童が日常的に経験する児童間の対人葛藤場面を取り上げ,日本人児童(809名)と外国人児 童(278名)の解決方略を比較した。主な結果として,外国人児童は 日本語能力の高低にかかわらず,日本人児童よりも総じて多様な方略を用いやすいことが示唆された。こうした外国人児童の傾向は,葛藤解決に向けた積極的な振る舞いとして評価できる一方で,彼らが安定した対処様式や得意とする解決方略を持ち合わせていないことの表れとみることも可能であると考えられた。本研究は2019年学校メンタルヘルス最優秀論文賞を受賞した。次に,日本の小中学生(小学4年生208名,中学2年生293名)とフィンランドの小中学生(4年生98名,8年生87名)の授業中の意見相違場面における対人葛藤解決方略の特徴とQOL(Quality of Life)との関連を検討した結果を2019年6月の日本臨床心理学会第38回大会において報告した。結果から,1)両国の対人葛藤解決方略は,児童期には目立たない相違が,青年期前期を境に日本の自己変化志向,フィンランドの他者変化志向として顕著になること,2)対話を重視した葛藤解決が高いQOLと関連する点は両国に共通しているものの,日本の子どもは,フィンランドの子どもと比して,クラスメイトとの葛藤解決のあり様が,より多くの領域のQOLと関連することが示唆された。さらに,3)本結果は,友人との良好な関係性が日本の子どもの学校環境を支えている可能性を(Tsuboi et al., 2012)を支持するものと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

小学校高学年児童を対象とした対人葛藤解決方略と友人関係における志向性,友人関係満足に関する調査が実施できなかった。

今後の研究の推進方策

小学校高学年児童を対象とした対人葛藤解決方略と友人関係における志向性,友人関係満足に関する調査を実施する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)年度内に小学校高学年児童を対象とした調査が実施できなかったためである。 (使用計画)小学校高学年児童を対象にした調査を実施し,データ解析を行う。加えて,国内において過年度の成果公表を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 日本における外国人児童のウェルビーイングに関する研究―日本語能力との関連から―2019

    • 著者名/発表者名
      野村あすか・松本真理子・鈴木伸子・稲垣美絢・坪井裕子・森田美弥子
    • 雑誌名

      学校メンタルヘルス

      巻: 22(1) ページ: 60-70

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本とフィンランドの小中学生の対人葛藤解決方略の特徴とQOL2019

    • 著者名/発表者名
      鈴木伸子・松本真理子・坪井裕子・野村あすか・森田美弥子
    • 学会等名
      日本心理臨床学会第38回大会

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公開日: 2021-01-27  

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