研究課題/領域番号 |
17K04624
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
藤田 美佳 奈良教育大学, 次世代教員養成センター, 特任准教授 (90449364)
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研究分担者 |
今井 純子 順天堂大学, 国際教養学部, 助教 (00458506)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 第二言語識字教育 / 移住女性 / 比較研究 / エンパワメント / 移民・難民 / 言語習得 / 社会参加 / 隠れたカリキュラム |
研究実績の概要 |
平成29年度は、8月21日に東京で研究会を1回開催し、研究代表の藤田が、本研究に先立って実施した平成26~28年度基盤(C)「韓国における結婚移住女性に対する『人権を主題に学ぶ韓国語』に関する実証的研究」についての成果報告を行い、研究分担者の今井は、近年の研究成果報告を行った。その上で、初年度の研究計画および役割分担を確認した。 海外調査については、藤田が、韓国において、4月27日~5月9日と平成30年3月8日から17日において実施した。4~5月調査においては、異文化間教育学会第38回研究大会(東北大学、6月17日)での自由研究発表のための確認を行った。平成30年3月調査においては、平成30年4月にエントリーした『東アジア社会教育研究』に投稿予定の論文「移住女性の#MeToo-移住女性人権センターにおける社会参与を促す実践(仮)」の調査のため、移住女性人権センターが、韓国国会議員会館において行った「移住女性の#MeToo」集会に参加し、実態調査を行うとともに、関係者へのインタビューを実施した。当初2月に予定していたアメリカ・ニューメキシコ州における調査は都合により実施できず、平成30年度へと予定を変更したたため、初年度の研究計画では一部遅れが生じているが、韓国調査を2度実施したことにより、学会発表および平成30年度の論文投稿においては順調に計画を遂行している。 学会発表は、藤田が個人で、(1)上述の異文化間教育学会第38回研究大会における自由研究発表「移住者に対する第二言語教育における隠れたカリキュラムと課題提起型第二言語識字教育の可能性―韓国移住女性人権センターの取り組みを踏まえて―」と(2)日本社会教育学会第64回研究大会(埼玉大学、9月16日)における自由研究発表「移住者に対する課題提起型第二言語識字教材の米韓比較 ―隠れたカリキュラムを超えて」を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、韓国での調査を2度実施し、学会発表2件を行うことができた。また2度目の調査(平成30年3月)で得られた成果は、論文投稿のエントリー審査を通過し、平成30年6月に投稿予定である。一方、アメリカ調査については、初年度に実施できず、平成30年度へと予定を変更したため、上記の進捗状況とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、アメリカでの海外調査を実施し、アメリカにおいて課題提起型第二言語(英語)識字教育(Problem-posing ESL : English as a Second Language)を提唱したマサチューセッツ大学ボストン校のElsa Auerbach教授およびニューメキシコ大学アルバカーキ校のNina Wallerstein教授へのインタビューとフィールド調査を予定している。その際、韓国の移住女性に対する韓国語教育における隠れたカリキュラムについての考察(これまでの研究成果)を報告し、米国の移民・難民に対する第二言語(英語)識字教育における隠れたカリキュラムの問題との比較検討について、意見交換を行う予定である。 学会発表は1回、論文投稿は、2本を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年2月に予定していたアメリカ・ニューメキシコ州における調査予定を平成30年度実施に変更したため、研究分担者における旅費の残が生じた。次年度には旅費として活用される見込みである。
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