研究実績の概要 |
本研究の目的は,フランスの芸術教育思想と実践を基軸としながら,イタリアおよび日本における乳幼児・児童の表現活動,特に子どもの「美的感性」や「美的経験」を比較考察し,その実践活動を事例に,芸術と乳幼児・児童との出会いと交わりについての研究調査をおこない,その全体像を検証し,評価することにある。 平成29年度は研究計画調書の記載に基づき、以下の項目を実施した。 1)イタリア・ピストイア市の幼児教育についての政策に関する文献「ピストイア役務憲章」を翻訳し、ピストイア市の幼児学校,保育園,児童館(教育文化局,教育コーディネーターDonatella Giovannini氏へのインタヴューを行った。(メールによる聞き取り調査) 2)子どもの「美的感性」や「美的経験」を比較考察するための基盤となるシラー(J.Ch.F. von Schiller,1759-1805の思想について,その著作『Uber die asthetische Erziehung des Menschen.In einer Reihe von Briefen』(1793-1795)の小栗孝則訳『人間の美的教育について』と清水 清訳『シラー 美的教養論』の両方を参照しながらまとめる作業を行った。 3)フランスの教育機関において,近年重要な役割を担う「学校参与アーティスト」について大学美術教育学会(2017年9月広島大学)にて口頭発表を行った。
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