研究課題/領域番号 |
17K04697
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
野津 隆志 兵庫県立大学, 政策科学研究所, 教授 (40218334)
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研究分担者 |
乾 美紀 (寺尾美紀) 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (10379224)
久保 忠行 大妻女子大学, 比較文化学部, 准教授 (10723827)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 移民児童の教育実態 / 基準の曖昧さ / ミャンマー児童の教育実態 / カンボジア児童の教育実態 / 企業の教育支援 |
研究実績の概要 |
タイ現地調査を3回実施(バンコク、サムットサコン県、ターク県、サケーオ県)し、以下の実態を明らかにした。 1.ミャンマーとカンボジアからの移民児童の教育実態の概要を調査した結果、ミャンマーとの国境付近では、NGOによる学習センターに通学する児童、タイ国立学校に通学する児童が存在する。前者はタイに短期滞在し、将来ミャンマーへの帰国を考えている家族の児童が通学している。後者にはタイに長期滞在し、将来もタイで暮らす事を考えている家族の児童が通学している。 2.カンボジア国境では、NGOはほとんど活動していない。希望者はタイ国立学校に通学が受け入れられている。国境付近の小学校の中にはカンボジア児童が過半数を占める学校も存在している。 3.タイ教育省や地元教育委員会は、移民児童の受け入れについて積極的な関与はしていない。各学校の校長の判断によって、入学が許可されている。そのため、同じ地域にありながら学校の移民児童受け入れ大きなばらつきがある。 4.受け入れ実施小学校の受け入れ基準にもばらつきがあるが、タイ語ができるできないを受け入れ基準にしてる学校が多い。受け入れた後、小学校は移民児童に対して特別な配慮や特別な指導を行っていない。よってタイ人児童と同じ教科をタイ語で学習している。5.今まで調査が行われていないバンコク周辺のランシット地域に多くの移民労働者が住み、食品工場などで就労していることが分かった。 6.マイクロソフトやTRUEなどIT企業とユネスコの協働プロジェクトとして、タブレット端末をへき地の移民児童が就学する学校に提供する事業が展開している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タイの教育や社会の実態調査に経験と実績のある市民団体「野毛坂グローカル」に現地調査を委託したことで、実態の解明が順調に進んでいる。同団体の現地調査時には、毎日、研究代表とタイ現地と情報を交換し、効果的な調査がすすむよう配慮した。
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今後の研究の推進方策 |
野毛坂グローカルへの委託調査を今後も進める。本年度に予定する調査内容は以下の通り。 1.バンコク周辺のランシット地域に多くの移民労働者が居住しているという情報があるので、ランシット地域の移民児童の教育実態を調査する。 2.8月にランシットとサムットサコン県の一定区域で学校訪問、NGO訪問調査を集中的に行い、地域の移民児童の教育と支援の実態を詳細に調査する。 3.12月頃に8月調査をふまえたアンケート調査を実施する。学校長へのインタビュー調査を行う。受け入れ校の学校長の受け入れ理由(なぜ移民児童を受け入れるか)を明らかにすることで、本科研の研究課題としている人権意識がどの程度現場に浸透しているかを分析する。 4.マイクロソフトやTRUEなどのIT企業による移民児童支援について、さらに詳細な事実を調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費と人件費が当初の計画より下回ったため次年度使用額が生じた。 今年度、旅費と人件費を増額し、計画的に支出する。
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