研究課題/領域番号 |
17K04714
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研究機関 | 星槎大学 |
研究代表者 |
石原 朗子 星槎大学, 教育実践研究科, 准教授 (40787959)
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研究分担者 |
小暮 克哉 岩手大学, その他, 准教授 (50782801)
山鹿 貴史 八洲学園大学, 生涯学習学部, 講師 (10794828)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 通信制大学 / 通信制高校 / 教育の社会的機能 / 学校通信教育 |
研究実績の概要 |
本研究の主な目的は、通信制高校・大学がどのような社会的機能を担ってきたかの変化を、受講者層の変化から追うことであり、それを通じて従来、通信制高校が担ってきた機能を通信制大学が担うようになってきたのではないかという仮説を検証することにある。本年度は、(1)昨年度までに収集したデータの分析とその成果の公表、(2)通信制高校・大学がどのように研究されてきたかの検討とそれを通じた高校・大学の変化の理解とその成果の公表、(3)通信制高校・大学にて一定期間以上、教職員として勤務された方へのインタビュー調査を行った。 以下、その概要を示す。 (1)データ分析と成果公表:学校基本調査および高校・大学通信教育の関連団体の実施した生徒・学生層の変化の調査を活用し、特に大学通信教育に関して、どのような層が通信制大学で学んできたか(「誰が大学通信教育に学ぶのか-入学者に見る高等教育と社会-」)と大学通信教育の入学者の地域選好(「大学通信教育の進学行動における地域選好に関する一考察」)を論文として公表した。 (2)通信制高校・大学の研究動向の分析:通信制の高校を大学を「学校通信教育」という包括的視点で捉え、扱われたテーマ変化の観点からその研究動向を分析し、学会で発表、論文(学校通信教育の研究動向に関する研究-教育的主題の変化に基づく高校・大学の包括的理解-)にまとめ、2019年度に公表する。 (3)通信制高校・大学の教員インタビュー:通信制高校・大学の教員計15名に対して「受講生の変化」「学校現場の変化」「それらの変化の要因と考えうる制度変化や社会状況の影響」などの観点でインタビュー調査を行った。結果は2018年度と2019年度にかけて分析を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、2017年度中に通信制大学の文献調査と関係者への質的調査を実施、2018年度に通信制高校の文献調査と関係者への質的調査を実施することを計画していた中で、2017年度は、通信制高校・大学の文献調査を中心に行うこととした。それを踏まえて、本年度は、研究分担者が2名加わり、文献調査から得られた結果を公表(学会にて発表,論文として発表)するとともに、資料収集により得られたデータを分析、結果を公表(2つの論文にて発表)できた。また、1年目から行う予定であった質的調査は2018年度に実施し、分析に着手している。今後、追加調査が必要かの判断は求められるが、本年度現在で、ほぼ予定された計画での進捗となっている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、2018年度に調査を行い、現在分析を進めているインタビュー調査に関して、さらに分析を行い、学校の現場に長くかかわった者の視点だからこそ見える変化の状況を明らかにしていく。 そして、これに関連して、2018年度までに得られた文献調査の成果、統計データ等からわかった内容と組み合わせることで、本研究の全体目標である学校段階の通信制教育の社会的機能がどのようなものか、それは高校と大学でどのように共通点・相違点があり、受講者層や時代によってどう変化したかを検討し、成果をまとめていく。
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