研究課題/領域番号 |
17K04781
|
研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
竹内 晋平 奈良教育大学, 美術教育講座, 教授 (10552804)
|
研究分担者 |
隅 敦 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (30515929)
達富 洋二 佐賀大学, 教育学部, 教授 (40367983)
東良 雅人 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (70619840)
北尾 岳夫 滋賀短期大学, その他部局等, 教授 (40461149)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 発問設計 / 俯瞰的理解 / 言語的活動 / 身体的活動 / 領域「表現」 / 持続可能な開発のための教育 |
研究実績の概要 |
令和元年度は,研究計画書に記載した研究目的の一つである「言語的・身体的活動による思考促進を通した,主体的な図画工作・美術科学習の成立および教科目標への到達の段階を明らかにする」に関連した研究活動を推進した。 1)中学校美術科授業における臨床的調査結果の発表: 研究協力者より美術科授業の提供を受けて実施した臨床的調査(プロダクトデザインの鑑賞学習)に基づき,研究代表者らが開発した「鑑賞発問設計ワークシート」の効果等,得られた知見について学会誌での発表を行った(〔雑誌論文〕に該当)。 2)乳幼児の描画活動における身体的行為を数量的に分析するための方法について運動学的な検討を行い,動作解析ソフトウェアの活用によって得られた知見等について大学紀要での発表を行った(〔雑誌論文〕に該当)。 3)美術科カリキュラムにおける教科目標および資質・能力と現代的教育課題(ESDおよびSDGs等)との関連について考察するとともに,同様の意図を有するシンポジウムの記録冊子を編集・作成し,公立学校等への配付を行った(〔図書〕に該当)。 今後の展開としては,1・3)の成果をもとにして指導者に求められる「授業構築の力・学習者の状態を見とる力・学習者に関与する力」を明らかにする。そして,2)の成果をもとにして,未就学児の動作化・具体的操作等の身体的行為が事象の認知および思考にどのような影響を与えるのかについてさらに調査を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全国的・世界的な新型コロナウイルス感染症流行の状況を踏まえ,臨床的調査および視察調査については実施が困難であると判断した。よって,これまでに得られた知見に基づいた教員研修システムのあり方を明らかにして教員研修を試行する等,研究成果の社会還元を行う方向で研究計画を再構築する。保育造形における身体的行為の意義に関する検討については,文献を中心とした調査を行う。
|
今後の研究の推進方策 |
前述のように新型コロナウイルス感染症流行の状況を踏まえ,視察調査および追加の臨床的調査に関しては中止とした上で,研究活動の総括と社会還元を図るための実践に重点を置く。令和2年度(最終年度)の具体的なタスクは下記のとおり。 ・遠隔による教員研修システムを構築し,令和元年度までに得られた知見に基づいた社会還元を図る(令和2年度,雑誌論文への投稿を予定)。 ・保育造形における身体的行為の意義に関する理論を構築(令和2年度,大学紀要への投稿を予定)。 ・これまで4か年の研究活動を総括し,課題を抽出する(令和2年度,学会発表を予定)。
|
次年度使用額が生じた理由 |
該当年度に予定していた臨床的調査および視察調査の実施を次年度に延期して実施するよう検討したが,新型コロナウイルス感染症による社会的影響を踏まえ,視察調査と臨床的調査自体を中止とする。研究成果の社会還元(教員研修・教師教育)等のタスクに重点を移し,次年度使用額も主にこれに充てる計画である。
|