研究課題/領域番号 |
17K04814
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
島田 功 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (30709671)
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研究分担者 |
馬場 卓也 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (00335720)
飯田 慎司 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20184351)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 社会的オープンエンドな問題の開発 / 社会的価値観 / 算数の力(数学的モデル) |
研究実績の概要 |
本科研の目的は、「社会的価値観の特性の明確化」と「社会的オープンエンドな問題の開発」と「子どもが生きる価値多元化社会で必要な算数の力の明確化とその検証」である。 「社会的価値観の特性の明確化」に関しては子どもの社会的価値観を大切にする授業を構成する上で欠かせない。これについてはある程度明確にすることができた。更に、「社会的オープンエンドな問題の開発」は、カリキュラムを考える上で重要になる。これについては、現場の小学校の先生方と協力しながら4つのカテゴリー(分配・分割、ルール作り、選択、計画・予測)を設けて実践事例を収集した。第1学年から第6学年までの実践例が集まりつつある。また、「価値多元化社会で必要な算数の力を明確にすること」については、社会的価値観をノイズとして回避してきた算数教育との違いを明確にする上で重要である。特に、本研究では問題解決学習過程(導入、中盤、終盤)に即しどんな算数の力を育成できるのかを組織的に考察することを目的においていた。これに関しては、コロナ禍のために十分研究が進んでいない。 本年度は、社会的オープンエンドな問題の開発として「サラダを作ろう(計画問題)」(2年生)、「交通整理のおじさんへのお礼状作り(分配・分割問題)」(6年生)、「昼食のメニュー(選択問題)」(4年生)、「缶の積み上げ競争(選択問題)」(2年生)、「絵を飾るには(計画問題)」(3年生)、「パン屋の問題(計画問題)」(5年生)などを開発した。、 次年度は、「価値多元化社会で必要な算数の力の明確化とその検証」について考察する。更にカテゴリー毎の社会的オープンエンドな問題の開発と実践事例の収集を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
価値多元化社会で必要な算数の力として、①「価値観に基づく数学的モデルを構成する力」、②「価値観及び数学的モデルの多様性を尊重する力」、③「価値観に基づく数学的モデルを批判的に考察する力」としている。①の算数の力は授業の導入で必要な力であり、②の算数の力は授業の中盤で必要な力であり、③の算数の力は授業の終盤で必要な力であると規定している。これらを実際の授業で検証する必要がある。しかし、コロナ禍のために、算数の授業を通し、社会的オープンエンドな問題を用いた「価値多元化社会で必要な算数の力の明確化とその検証」が十分に行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、「価値多元化社会で必要な算数の力の明確化とその検証」を算数の授業を通して行っていきたい。価値多元化社会で必要な算数の力として、①「価値観に基づく数学的モデルを構成する力」、②「価値観及び数学的モデルの多様性を尊重する力」、③「価値観に基づく数学的モデルを批判的に考察する力」としている。①の算数の力は授業の導入で必要な力であり、②の算数の力は授業の中盤で必要な力であり、③の算数の力は授業の終盤で必要な力であると規定している。それらの検証を行っていく必要がある。更には、カテゴリー毎の社会的オープンエンドな問題の開発を行っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のために日本における学会や海外における学会等がオンラインに変更になったため交通費や宿泊費等が使用されなかったため。次年度は、オンラインにかかる通信費や研究のまとめのための製本代や研究に関わる本代及び印刷代やデータ保存にかかる費用及び量的研究や質的研究のためのソフト代を予定している。
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