酸化物ガラスの光学応用に関して,屈折率が大きい材料が重要視されるものの,光弾性定数を扱うことは少ない。ガラスの光弾性が,材料の電子物性だけではなく,ガラスを構成する原子の変位に根源とする機械的特性との両方に関係するからである。ガラスに応力を加えても,本来の屈折率の等方性が維持されるガラス組成(低光弾性ガラス)を見出すために,本研究では構成酸化物の電子分極率を軸とした組成設計が有効であることを示したことが学術的意義である。さらに,情報を偏光に乗せて伝搬させる光通信用光学素子において,光ファイバーのように外部の力が加わっても偏光が保持される光学材料探索,設計における一指針となることが期待される。
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