本研究課題では、大気圧プラズマの生物・医療応用に向けた基礎研究として、プラズマ照射の生化学反応への影響を解析した。まず、モデル酵素を水溶液に溶解し、これにプラズマ照射を行い酵素反応への影響を調べた。プラズマ照射により水溶液中に活性種の生成が認められ、酵素の不活化が示唆された。熱変性による失活との比較を行ったところ、これとは明らかに異なる様式で不活化していることが示唆された。また、ヒト肺がん由来培養細胞株へのプラズマ照射によって、アポトーシス誘導に関与しうる修飾塩基である8-オキソグアニンがゲノムDNA上に生成され、これを認識・除去する酵素がプラズマ照射後に活性化していることが示唆された。
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