正標数の代数的閉体上で定義されたFano多様体に関係するさまざまな研究を行い,次のような結果を得た: 1. F分裂しない次数1の非特異del Pezzo曲面について調べ,標数5においてはそのような曲面が同型を除いて一意であり,その自己同型群が6次対称群の外部自己同型の存在と関係があることを示した。 2. 標数2で小平次元1の準楕円曲面について,多重標準因子線形系がファイブレーションの構造射をいつ与えるかという未解決問題に取り組み,これを解決した。さらにIII型ファイバーを持つ標数2の準楕円K3曲面のMordell-Weil群の構造を解析し,そこから20次元の線形符号を構成することに成功した。
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