研究課題/領域番号 |
17K05253
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鳥居 猛 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (30341407)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 安定ホモトピー論 / 無限大圏 / 双代数 / ホップ亜代数 / 余加群 / モノイダル圏 / オペラッド / 表現のモジュライ |
研究実績の概要 |
デュオイダル圏は2つのテンソル積をもち、一方の積がもう一方の積に関してラックスモノイダルになっているような圏である。スペクトラムの圏や一般の安定ホモトピー論における双代数や余加群を定式化し、その性質を調べるために、デュオイダル圏の無限大圏への一般化について研究を行い、以下の成果を得た。・デュオイダル無限大圏の定義および基本的な性質を調べた結果をまとめたプレプリントを完成させた。・デュオイダル圏は二つの積をもつ圏であるが、それを二つ以上の積に一般化した高次モノイダル圏を考えることができる。高次モノイダル圏を無限大圏に拡張した高次モノイダル無限大圏を定式化し、高次モノイダル無限大圏のある種の双対性について証明した。また、これらの結果をまとめたプレプリントを完成させた。・任意の無限大オペラッドに対して、モノイダル圏とラックスモノイダル関手のなす無限大圏と、モノイダル圏と双対ラックスモノイダル関手のなす無限大圏との間に双対同値が成り立つことを、二つの無限大圏の間の完全ペアリングを構成することにより示した。この結果についてもプレプリントにまとめた。・以前に小原まり子氏と共同で、古典的な次数付き可換環から射影スキームを構成する方法を無限大圏へ一般化する研究を行なった。それらの結果をまとめた論文が出版された。・京都・九州・信州合同トポロジーセミナーで高次モノイダル無限大圏およびその双対性について講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
デュオイダル無限大圏の一般化については一定の成果が得られた。しかし、具体的な応用については研究を継続しているが、まだ結果が得られるまでには至っていない。Thomスペクトラムの双代数の構造や、スペクトラムのなす安定無限大圏への応用について結果が得られていないことが現在までの進捗状況はやや遅れていると判断する理由である。
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今後の研究の推進方策 |
具体的な状況に理論を適用する研究を継続する。Thomスペクトラムの双代数構造やデュオイダル無限大圏における導来淡中双対性、また、Morava K理論で局所化された安定ホモトピー論への応用について研究を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度はコロナ禍のため、出席を予定していた研究集会が中止となったり、オンラインでの開催に変更になったため、旅費の使用ができなかったことが理由である。次年度の使用計画としては、国内の研究集会の開催や参加、共同研究のための打合せに主に使用する予定である。
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