研究課題
基盤研究(C)
Lebesuge空間L^pなど、よく知られた関数空間において成立する様々なマルチンゲール不等式の拡張の研究を行なった。例えば、一様有界な可予測過程によるマルチンゲール変換に関する弱型不等式がL^pにおいて成り立つことがよく知られている。また、一般の確率過程の良可測射影・可予測射影に関するノルム不等式なども、L^p空間において成立することが知られている。これらの不等式が、L^pをBanach関数空間にXの弱空間w-Xに置き換えたときにも成立するための必要十分条件(そのような空間Xの特徴づけ)が得られた。
マルチンゲール理論
マルチンゲール変換は、マルチンゲール理論を展開する上で欠くことのできない重要な概念であり、マルチンゲール変換に関する不等式に関する研究成果は、新たな研究の糸口となることが期待できる。一般の(離散時)確率過程の良可測射影・可予測射影に関する不等式の研究成果は、数理ファイナンス分野への応用のために F. Delbaen, W. Schachermayerらによって得られた結果を大幅に拡張したものであり、新たな理論展開だけでなく、数理ファイナンスへの応用も期待できる。