本研究の目的は、多変数超幾何関数について、パッフィアン方程式や関数等式などのさまざまな公式(関係式)を数式処理の技法を援用しながら導出することである。これらの公式は純粋数学としての興味だけでなく、応用数学の面からも興味深く実用性のあるものである。例えば、パッフィアン方程式は、多変数超幾何関数やより一般にホロノミック関数の数値評価を行うのに極めて有効である。計算数理統計など関連する諸分野が急速に発展する中で、計算効率のよい公式を探索することの重要性は増している。そのため、それらの公式を組織的に導出していくことは学術的にも重要であり、また社会的にも意義がある。
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