ガンマ線の到来方向を、液体シンチレータの撮像という新しい方法によって行なうため、結像系・画像解析の方法を開発した。ミラー2枚からなる直径30 cm光学系と、5 cm × 5 cmマルチアノード光電子増倍管を用いた「カメラ」を開発した。このカメラ2つで2方向から、液体シンチレータ内のコバルト60線源からのガンマ線事象を、「撮像」する測定を行なった。この発光点を3次元的に再構成することに成功し、液体シンチレータ撮像によるイメージングの原理検証が行なえた。マルチコンプトン散乱によると思われる複数箇所発光事象の候補も見つかり、コンプトン散乱を捉えて到来方向を検出する研究への道筋も示された。
|