物質の最も極微の階層は標準理論と呼ばれる理論によって理解されることが明らかとなってきた。すなわちクォークやレプトンと呼ばれる素粒子が、人類が知る最も極微の階層である。しかし、クォーク等から次の階層のハドロンや原子核に至る道筋の解明は、格子量子色力学と呼ばれるシミュレーション計算による研究が現在最も確実と考えられるものの、精度は計算機能力および手法になお制限されており、十分に解明されているとは言えない。そこで本研究はエキゾチック中間子という新たなハドロンの存否や、さらにその性質を実験的研究によって提供することで、人類にとって未知の階層間の繋がりの解明に寄与するという学術的意義がある。
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