KOTO実験が探索している中性K中間子の稀崩壊は標準模型を越える新しい物理の探索に最も適している現象である。また、LHC実験で探しているTeV領域より、もっと高いエネルギー領域(1000TeV)までの探索が可能である。しかし、極めて稀なイベントを莫大なバックグラウンドを除去しながら検出する至難の実験なので、KOTO実験が唯一に探索し続けている。KOTO実験が新しい物理の存在を明らかにするためには、発見されているバックグラウンドの原因を調べ、適切な対応をすることを繰り返し、ゴールに近づくしかない。本研究はその一環であり、荷電パイ中間子を含む崩壊によるバックグラウンドを完全に抑えることを目指した。
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