2007年Nohは,ノード結合に正の次数相関を持つERネットワーク上のパーコレーション転移は平均場型ではない可能性を示唆したが,これが正の次数相関を持つネットワークの一般的な性質なのかについては明らかになっていない。 本研究では,べき乗の次数分布と強い正の次数相関を持つネットワーク上でのパーコレーション転移について詳細なシミュレーションを行い,有限サイズクラスター分布の転移点でのピーク消失は見られないことを確認した。この結果は表面上はNohの結果と矛盾するものだが,両者が対象とするネットワーク構造には違いがある。 この違いの原因の解明については,厳密な方程式系から出発する解析的手法が必要となる。
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