本研究は混合溶媒中の高分子電解質に対し、溶媒の濃度不均一性によって引き起こされる実効的な引力、およびその影響について取り組む世界で初めての研究である。タンパク質の構造形成、DNAのエタノール沈殿現象など、混合溶媒中の高分子電解質のコンフォメーション・凝集構造に関する研究は数多くあるが、これまでは溶媒は均一と仮定され、その影響は無視されてきた。本研究で得られた溶媒の不均一性に関する成果は将来、高分子・ソフトマター物理学のみならず、化学・生物学・遺伝子工学などの他分野にも有用な知見を与え、社会的にも大きな意味を持つことになると期待している。
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