地震性剪断変形にともなう焼結現象が断層の力学的挙動に及ぼす影響を評価するために、(1)流体飽和環境下での摩擦透水試験(2)瞬間高温加熱実験の2つの実験をベースに研究を実施した。その結果、流体飽和環境下で摩擦発熱が抑制されることにより焼結現象が発生しづらくなること、乾燥条件では1200℃以上で焼結が発生し、粉体同士が固着することがわかった。また、断層の透水係数は、すべり速度の増加とともに増加することがわかった。さらに、すべり後には初期の値に戻るため、急激な間隙水圧の減少が期待できないため、流体圧の増加を考慮した地震サイクルモデルに大きな影響を与えることがわかった。
|