研究課題/領域番号 |
17K05700
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
加々島 慎一 山形大学, 理学部, 准教授 (70361243)
|
研究分担者 |
高橋 俊郎 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20392946)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | パタゴニア・バソリス / low Sr initial ratio / 花崗岩 / 部分溶融 / AFCモデル |
研究成果の概要 |
本研究地域に分布する花崗岩類の多様性について議論を進めた.Sr, Nd同位体比初生値(SrI, NdI)の変化幅は小さくマントル列上にプロットされる.特にSrI値は0.7035~0.7041と非常に低い値を持ち,パーアルミナス花崗岩では他に報告が見つからない.ケウラト岩体は,苦鉄質岩を起源物質としてモード溶融モデル計算を行い,Pl:Hbl:Cpx=5:4:1で約30%溶融させることで,トーナル岩質マグマが生成されることが示された.また,プエルトシスネス花崗岩の成因は,分化したトーナル岩質マグマに変堆積岩を約20%同化させ,さらに約40%分別する同化分別結晶作用(AFCモデル)で説明できる.
|
自由記述の分野 |
地質学,岩石学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
北部パタゴニア地方の花崗岩類の分布は既知データとしてあるが,そのほとんどは地球化学的特徴,年代,成因について不確かであり,現地調査と高精度な化学分析が必要であった.全岩主成分・微量成分組成,希土類元素組成,鉱物化学組成,Sr・Nd同位体組成,ジルコンのU-Pb年代など,パタゴニアバソリスの研究を発展させる上で不可欠なデータを得ることができた.また火山フロントより前弧側に深成岩が分布すること,Sタイプ質花崗岩であるにも関わらず非常に低いSr同位体比をもつことは,この地域が未成熟な活動的大陸縁辺であることを示す.未成熟であるということは,初期地球の大陸地殻形成を解明する手掛かりとなりうる.
|