研究課題/領域番号 |
17K05717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球宇宙化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
赤木 右 九州大学, 理学研究院, 教授 (80184076)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 海洋炭酸塩 / カルサイト / アラゴナイト / 希土類元素 / 鉄 / マンガン / 分配 / マンガン団塊 |
研究成果の概要 |
海洋において粒子相は物質の鉛直輸送に重要な役割を演じている。炭酸塩粒子は主要な粒子相の一つであり、海水柱において、生成から溶解へと推移する特徴がある。その推移に伴って、炭酸塩に分配した元素がどのように振る舞うか、不明である。本研究では、主要な粒子相の一つである炭酸塩粒子の生成と溶解時の元素の分配挙動を明らかにするために、新しい平衡分解装置を作成し、主に、希土類元素、鉄、マンガンの分配実験を行った。その結果、鉄は炭酸塩とは独立した固相を作り、分配に参加すること、マンガンは炭酸塩の中に入り、希土類元素の分配を促進することが分かった。さらに、希土類元素は、生成と溶解を阻害することがわかった。
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自由記述の分野 |
地球化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海洋の物質循環は炭素循環や生物生産性に影響を与えるため重要である。海水中の粒子は、元素の鉛直輸送に最も大きな影響をもたらすことは広く認められているが、その影響は粒子の化学に依存し、極めて複雑である。そのため海洋の物質循環モデルなどは粒子を一括りにして、化学を無視して扱われている。本課題研究では、海水中で最も主要な粒子の一つである炭酸塩について、生成時、溶解時の二つの条件での元素の分配挙動を研究した。この成果は、他の化学の異なる粒子相についての研究を促し、海洋の物質循環をより質的に深く理解することが可能になり、将来的に炭素循環や地球の環境変動などを理解する際の基礎となるであろう。
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