ジフェニルヘキサトリエン(DPH)の結晶を用いて蛍光の磁場依存性を測定した。2 T から5 Tの高磁場領域に、複数のディップ(蛍光強度の減少)を観測した。この磁場効果はこれまで観測されておらず、我々の研究により初めて観測された。実験および理論的解析より、相関三重項対の構造を決定した。決定された構造は非対称であり、効率の良い励起子分裂には、非対称な分子の配置が重要であることが明らかになった。さらに、トリプレットフュージョンが起こるアントラセン類においても、遅延蛍光に対する磁場効果を観測した。得られた結果を、DPHで得られる結果と比較し、シングレットフィッション等が起こりやすい分子配置を検討した。
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