飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)における主な課題の一つであるマトリックス効果(共存物質によって二次イオン強度が変化し、定量性が損なわれることがある現象)について、ペプチドと脂質、酸化防止剤、有機エレクトロルミネッセンス材料などの混合試料をTOF-SIMSで測定して得られた正二次イオン・負二次イオンスペクトルについて検討した結果、dynamic-SIMS分野などで用いられてきた相対感度因子に基づく補正がTOF-SIMSデータに対しても有効であることが示され、イメージングデータにも応用できることが示唆された。
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