本研究は、モスアイ構造や微小球堆積により大表面積を持つナノ立体表面を作製することによって吸着量を増やし、長距離伝搬表面プラズモン共鳴(LRSPR)バイオセンサを高感度化するとともに実用性を高めることを目的とした。金薄膜上にサイトップを堆積し、そこにモスアイ構造を転写してセンサを作製した。電解質交互吸着膜を堆積したところ、モスアイ構造が無い場合と比較して、3倍程度大きい波長シフト量を観測できた。さらに、テフロン微小球を用いた大表面積化も試み、こちらでも波長シフト量は6倍程度大きくなった。サイトップおよびテフロンにより立体構造を作製することで、共鳴の鋭さも維持でき実用的であることが確かめられた。
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